デザイン画から舞台衣装を作る1 手抜きできない技術者の性(さが)


先日、久しぶりに舞台衣装を製作しました。服飾専門学校を卒業して、以前は某テーマパークで衣装部に働いていたのである程度の衣装は作れます。でも、洋服は手間もかかるし私の興味が薄いので、よほど親しいとかお世話になってる方のものしか引き受けません。もっと自分の服でも気軽に作ればいいんですがね~( ̄▽ ̄)
 
今回は劇団で使う舞台衣装でデザイン画ありです。デザイン画から実物を作る時は、イメージを掴むのが大事ですね。デフォルメしてたり人物を9頭身で描いてたりしますから、実物でバランスを取る必要があります。今回は二の腕を出したくないということで、デザインを少し変えることにしました。
まずは必要な個所の採寸をしっかりしておき、丈や幅を想定して紙に書き込むのが私流。自分だけの設計図に、頭に浮かんだアイデアも盛り込んで不明点を潰していきます。この辺りの作業って創作意欲がどんどん高まるので、よく鼻息を荒げてるような気が…(^∀^;)ゞ

職人は依頼者を期待以上の仕上がりで喜ばせたい

よく言われるのが「簡単でいいから」という言葉。でも簡単に作るってすごく難しいんです!
そもそも「簡単」って、汚くていい?デザインが違ってもいい?手を抜く?
技術がある場合そんなに丁寧でなくても汚くならないし、汚い方が先の作業を非効率にします。デザイン通りに作る技術があれば、デザイナーの意図をくみたいものです。効率の良い作り方はいつも心がけているので、さらに手を抜くって悪い意味にしか取れません。
 
評価の基準は技術だけでなくスピードやコストなど複雑ですが、期待以上の仕上がりをもって依頼者を喜ばせたいのが技術者の性(さが)だと思うのです。それに、完成度の高い作品を目指すから楽しいという人間に、手抜き依頼はモチベーションダウンです。だから、私に「簡単でいいから」って言ってはイケナイのですP(`へ´)q ということで、私に依頼する人は大抵この怒りスイッチを触らぬよう恐る恐る頼んできます。気難しいオヤジみたいでスミマセン(苦笑)

舞台衣装は見栄えを一番に手抜きする

 
そんな訳で、合理的な手抜きをしながら作業を進めました。舞台衣装は日常着る洋服と違って、間近でなく舞台上で見栄えがすればよいのでそれなりに手抜きはできます。その代わり、動きに合わせて可動域を広くしたり着替えやすさなどを考慮します。
 
今回の生地は準備していただけたサテンとベルト用のオーガンジーです。
アンダースカートは型紙を作らず、直接布で寸法を測って裁断しました。←ちゃんと手を抜いてます。
ウエストはゴムで、丈が長いので脇にスリット入りです。足が開くほどのギャザースカートにすると重くなるし、ウエストも太くなるんですよね。←簡単にできない「こだわり」ポイント
袖と本体は型紙を作ってから裁断しました。型紙がある方が左右・前後もそろうし、修正する時も分かりやすいんです。←簡単にできない「こだわり」ポイント
 
スタンドカラーと袖付けは、生地や体形でもすごく違ってくるので一度仮縫いがしたい所です。あくまで簡単にですが譲れません。←簡単にできない「こだわり」ポイント
 
こんなにこだわったら他にどこの手を抜くのって言われそうですが、洋服なら気にする糸の色やステッチ幅なんかは少し違っても気にしません。スリットの高さが左右少し違っても、破れない様にしっかり縫い止めるなど、適切かつ妥当な「適当」が試されますね。
 
ということで、スタンドカラーと袖付けの仮縫いにつづく

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